2013年3月21日~24日の期間、お台場、東京ビッグサイトで開催された「東京国際アニメフェア2013」。期間中は計10万人を超える来場者が訪れ、アニメの祭典を楽しんだ。21日、22日のビジネスデーとうってかわって、一般来場者がどっと押し寄せたパブリックデー初日の23日も声旬!編集部は現地に赴き取材。少し肌寒くなったにもかかわらず場内は熱気であふれていたのが印象的だった。
そんなパブリックデー初日の会場内ステージでは、キングゲイナー10周年記念イベント「キングゲイナー祭 エクソダス、するかい?」も行われた。監督の富野由悠季さんをはじめ、大河内一楼さん、吉田健一さん、安田朗さんといった豪華なメンバーが登壇。『OVERMANキングゲイナー』制作当時の思い出や3月22日に発売されたBD-BOXについて語った。
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左から大河内さん、富野監督、安田さん、吉田さん


ステージイベントの登壇者を改めてご紹介すると、富野由悠季監督のほか、シリーズ構成の大河内一楼さん、アニメーションディレクターの吉田健一さん、メカデザインの安田朗さん、そして司会はアニメ評論家の藤津亮太さん。

大河内さんは『∀ガンダム』の脚本で富野作品に参加。近年は『プラネテス』『コードギアス 反逆のルルーシュ』など人気作をてがけた。吉田さんも『∀ガンダム』に参加、最近では『エウレカセブンAO』などで活躍。安田さんは『∀ガンダム』のキャラデザインのほか、『コードギアス 反逆のルルーシュ』でもメカデザインを担当するなど、全員が一線で活躍する業界の第一人者だ。

そのメンバーが一同に集まるとあって場内の熱気も相当なもの。“濃い雰囲気”が場内を包むなか、PV上映からイベントはスタート。その後4人がステージに現れた。

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安田さんは「最初に企画を聞いたとき、富野アニメということで、やらないという選択肢がなかった」と語り、吉田さんも「プロット見て勝手にやる気でいた」そう。富野監督は「どうして立ち上げたか思い出せないくらい。彼らに仕切ってもらった作品」と、当時若手だった彼らをたたえた。

吉田さんは当時日記をつけていたそうで「当時すごく怒っていて、でも2日後、ノリノリでわかった気がする!と書いていた。急に面白くなったんだと思う」と当時を回想。

大河内さんは「オーバースキルという設定は僕が勝手に入れたもの。おそるおそる出したら監督から“いいんじゃない”と言われた」と当時のエピソードを語ると、「オーバ-スキルという設定を上手に演出できなくて、自分が老け込んだなと反省しています」と富野監督。「アニメってもっと自由に作れるのに、そう作ってなかった。ちょっとくやしい」と、作品を振り返った。続いて「こんなチャンスはない、だから全力でやりたいと思ったので“構成は僕にまかせてくれ”と言った。いっぱい怒られたけどいい経験になりました。脚本書いてるとき、ためいきをつかれて“お前は本当に下手だねー”といわれ、泣きそうになりました」と、当時の思い出を話すと、富野監督は「仕事は年功序列ではないと思っているが、年をとればとるほどどうしてもそれが出てしまう」と“反省”。「たくさんの人が集まって作るのがアニメ。均等にみんなのテイストが出るようにするのが総監督の目指すこと」と監督は答えていた。

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また大河内さんは「富野さんと仕事して脚本の密度が上がった。“お前は事件を起こすのが遅い”と怒られた」と、監督との仕事を経ての進歩を語ると、「映画は最初の5分で観客に“この映画はこういうことをやる”と教えないと観客が逃げる。自分の都合で物語を組んではいけない」と持論を語っていた。

そして安田さんが「今思うと、オーバーマンでオーバーコートを作ったのになんで着せ替えなかったんだろう、くやしい」と話すと、「それをさっき裏で聞かされて、そのことにまったく気づかずに演出していた僕はだめだと思った。年寄りは理解が遅いから使い方を教えてよ(笑)」と監督。

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最後には「僕の生き方を見て“チッ”と思ってもらってかまわない。わかりやすく死んでいきます」と“富野節”が炸裂。「『キングゲイナー』を今改めて見て舌を巻いている。アニメといえど流行りすたりはあるが、ここ最近流行っているものだけじゃない。次の世代に受け渡していくためにもこの作品を広げていきたい」と、キングゲイナーという作品とBD-BOX発売の意義をアピールした。

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富野監督

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大河内一楼さん