最近では毎週末に複数のコスプレイベントが開催され、昔よりコスプレ用のウィッグや衣装も格安で手に入るようになった。すなわち現在『コスプレ』の需要は高く、そしてその8割が女性である。『コスプレ』をする女性の心理に迫る。
女の子には変身願望がある――。

昨年実写映画が公開した『ひみつのアッコちゃん』、何度もアニメやリメイクされている『キューティーハニー』、新作アニメが作られることが発表された『美少女戦士セーラームーン』、シリーズ9作目が放送されて、女児に圧倒的な人気を得ている『プリキュア』。
1960年代から2012年まで、変身する女の子のアニメや漫画は数多く作られている。

――なぜ女の子が変身する作品が受けるのか。

小さい頃一度は読んだことがある、おとぎ話の『シンデレラ』。義母や義姉にいじめられて汚い恰好で掃除などでこきつかわれていた女性が、魔法をかけてもらってお姫様に変身する。女の子なら一度は憧れる内容がつまっている作品だ。ここに総てのヒントがあると言える。

――『コスプレ』とは、

好きなアニメ、漫画、ゲームのキャラクターと同じ衣装、ウィッグを身にまとい、写真などに残したり、同じ趣味の人間と交流をしたりして楽しむものである。

――違う自分になりたい。

ORICON STYLEでは、毎年女性の選ぶ「なりたい顔」のランキングを発表している。また、メイク雑誌では、「人気芸能人風メイク」という特集をよく目にする。憧れの芸能人のファッションを真似したり、その顔に近づきたくてメイクする。それも女性の『変身願望』だ。自分以外のものに変身したい。その気持ちは『コスプレ』をする気持ちと似ているのではないであろうか。

――『コスプレ』にはまる理由。

『コスプレ』の楽しみ方は、好きな『キャラクター』のメイクをし、衣装を着て、なりきること。好きな作品の世界を作り、自分が主役になって体感するものなのである。
大人になり、社会の中で「自分」が目立つこと、注目されることは少ない。だが、『コスプレ』をしてカメラを向けられたときは、自分が主役になれるのだ。

――『コスプレ』を続ける理由。

おもちゃで売っていた『セーラームーン』のステッキ。子供用の『セーラームーン』のコスチューム。子供のころ好きだった作品、例えば大人になって、『セーラームーン』になれなかった少女が、その『なりたかった夢』を衣装やメイク、化粧をし「コスプレする」ことで夢を叶えているのかもしれない。

――女性が誰もが持つ変身願望

子供の頃、大人の女性になることに憧れたのではないだろうか。お母さんの口紅や、ネックレスをつけてみたことがあるのではないだろうか。それも大人への『変身願望』だ。「おままごと」も「~ごっこ」もそれらの職業になってみたいという『憧れ』の遊びである。

大人になると社会という現実しかない。コスプレは、その社会の中で夢を見る手段なのかもしれない。


女性の『変身願望』はつきない――。