唐突に現れるこの“なうのルーツ”。不定期なのはネタがないときに記事数を稼ぐためとか……そんなことはさておき、関東は梅雨入り前の心地いい陽気が続いておりますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?天気のいい日はお外で遊びたいのですが、私ども編集部員というのは暗い室内でこうやって書き物をしているのでございます。そんなこともどうでもいいですね。さて、第2回いってみましょうー!
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魔法少女シリーズ公式サイトより


みなさんはAKB48(&48系アイドル)は好きですか?僕は誰がなんと言おうと前田敦子さんがいいと思っています。パーツが寄ってるとかみんな言うけど、あのカリスマ性は空前絶後ですよ……あっ、もう48じゃなかった。

そんな48系のプロデューサーとして君臨するのが秋元康氏。秋元氏が若き日にアニソンの作詞も多数手がけていたことをみなさんご存知でしょうか?マニアックなファンならいくつか思い浮かぶ曲があるでしょう。だいたい“あれ”が思い浮かびそうなもんですが、あえて今回は“こっち”をチョイスしました。

「おしゃれめさるな」

そうです。『魔法の妖精ペルシャ』の後期OP曲です。本作は1984年夏から85年まで1年間放送された、スタジオぴえろ(現ぴえろ)による魔法少女シリーズの2作目にあたる作品です。ぴえろの魔法少女モノといえば『魔法の天使クリィミーマミ』があまりにも有名ですが、その『マミ』の後番組でした。『マミ』や、本作の後番組である『魔法のスターマジカルエミ』の間にはさまれて、ちょっと地味なんですが、個人的には作品としての完成度は非常に高く、もっともっと評価されてしかるべきアニメの1つだと思っています。

『ペルシャ』をあえて大胆に評するなら、天真爛漫なおてんば少女が魔法を授かったことで大人のドロドロした恋愛に巻き込まれてしまう、っていう要は魔法少女で“昼ドラ”をやった作品だと言えるでしょう。ヒロインは妖精の世界、ラブリードールから魔法を授かるのですが、この魔法で、ラブリードリームを救うために愛のエネルギーを集めなければいけなくなり、しかも集められないと自分の好きな男の子が女になっちゃいます。しかも変身後の姿はラブリードールのプリンセスの姿。実はこのプリンセスというのがかつて人間界で男とくんずほぐれつな関係になって、痴情のもつれで傷心のあまり心を閉ざし、おかげで妖精の世界は氷に閉ざされ、愛のエネルギーが必要になり、ペルシャがその役目を負わされているという、冷静に考えると「おい、プリンセス、お前身勝手!」的な展開なわけです。で、案の定、変身した姿をプリンセスのかつての恋人が発見、心の中はまだ小学生の女の子に「なんで俺のもとを去ったんだよ!」的なことを言ってくるわけです。2クール後半あたりから物語はいきなり子供向け魔法少女モノから、昼ドラのような展開になっていきます。後半はなんかドロっとした大人の恋愛に心は少女のヒロインが巻き込まれる、なんていうかエクストリームすぎる絶頂感が毎週味わえるアニメでした。

そういう意味では『魔法少女まどか☆マギカ』のまどかさんに真っ先に救っていただきたい魔法少女のヒロインのペルシャですが、最後はまぁハッピーエンド(?)になります。とにかく魔法少女というジャンルを使って、こういう物語を作れるんだという意味では『まどマギ』と並ぶもう1つの名作だと思うんで、ぜひごらんいただきたい作品なわけです。

で、この作品の後期OP「おしゃれめさるな」を作詞していたのが秋元氏なんです。

まだ一般的な知名度も少なかったころの秋元さんですが、個人的にはこのころのほうが詞の鋭さがあったな、という印象。「熱帯魚みたいな女の子たち」というフレーズなど、アニメの歌でありながら、彼の観察力、表現力が発揮されたリリックは今でも新鮮です。

機会があればぜひお聴きください。というわけでまた次回!


魔法少女シリーズ公式サイト


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