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まとめると!
●12月14日に第6回京都ヒストリカ国際映画祭にて、シリーズ3部作上映が実施された!
●大友啓史監督×谷垣健治アクション監督のトークイベントの様子をお届けする!
●撮影秘話だけでなく、大石教授が時代考証に基づいたリアルさを解説!

~『るろうに剣心』何度観ても楽しめる深堀りトーク2本レポート~

<第1部> 大友啓史監督×谷垣健治アクション監督
「このチームだからこそ挑戦できたアクション」撮影秘話を語る


 大友監督×谷垣アクション監督の最強タッグにより完成した、日本映画史上最大スケールで描く、アクション感動大作『るろうに剣心』シリーズ。大友監督は“この作品を実写化するのなら、谷垣さんにオファーしたい”との構想が初期段階であったそう。

 谷垣アクション監督は、「撮影前にこのチームで何が出来るか、4日間スタジオにこもってアクションシーンだけデモ撮影を行って、監督に見ていただき、本シリーズで実現したいキーワードを確認し合いました。 PART1の冒頭シーンを構想する中で、激しいアクションを含むシーンをワンカットで撮りたい! と大友監督が言い出した時には、全員固まりましたけどね(笑)」と撮影“前”秘話を明かしました。

 シリーズを追うごとに、キャストのアクション能力も高まり、PART1でやりきれなかったより高度な技もPART2,3に入れ込んでいった……等、数々のエピソードが披露される中で、本作には大ヒットアクション映画や名作映画へのオマージュが含まれていることも明らかに。「PART2の赤ちゃんを救うシーンでの境内下のアクションは、『酔拳2』のシーンのようになりました。」と谷垣アクション監督。

 大友監督も「あのシーンは『戦艦ポチョムキン』や『アンタッチャブル』の乳母車のサスペンス演出も意識せざるを得ませんでしたね。左之助の訓練シーンも結局実現できなかったんですが、ツイ・ハークの『ブレイド』のようにしたかったですし。そもそもツイ・ハークの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』を意識した3部作ですからね。そして、クライマックスシーンも、1対3で繰り広げられる『プロジェクトA』を超えたいと思ってプランニングしたんです」と語りました。

 そのPART3のエンディングシーンは「(『プロジェクトA』を超える演出の)1対4の戦いが延々と続くアクションの振付は、それだけでも伝わるものがあって胸が熱くなりました。横でみていた青木崇高くんも泣いていました。作る側の論理としてではなくて、見る側として『面白い』と思えることが本当に出来たなら、きっと日本のアクションエンターテイメントにも風があく。僕がこだわっている強烈なエモーションをこのアクションに乗せていくことで、さらにいいところまでいけるんじゃないかと、ワクワクして眠れなくなってしまうほどでした」と大友監督。

「役者と監督が感動してくれる、ということで、逆に勇気づけられました。撮影日程の問題もある中で、果たして出来るのかと思いましたが、“やれば凄いことになる”と大友監督を信じて進みました」と谷垣アクション監督が当時の心境を振り返りました。

 最後に、「自分が面白いと思ってきたアクション映画の文法と重なってくると、何が大切なのか、アクション映画を創る醍醐味がより分かってくるんですよ。『るろうに剣心』を通して、誰にも負けないアクションエンターテイメントを作ることができる仲間を見つけることができました。次はぜひ、一緒に現代アクション劇を撮影したいです」と大友監督が締めくくり、第1部は終了しました。

<第2部> 大友啓史監督×歴史学者・大石学教授
「時代考証に基づきながらも、アクション映画としてのエンターテイメント性を追求した」


「さっきは熱く語りすぎたから、今度は静かめのトークですよ(笑)」という大友監督が会場の笑いを誘い、第2部:東京学芸大学・歴史学の大石学教授との深堀トークが開始。大石教授は、『るろうに剣心シリーズで時代考証を担当し、作品にリアル感を生み出した立役者です。「『るろうに剣心1〜3』と幕末維新」という、解説ポイントがきっちりと整理された貴重な資料を参加者に配布いただき、本作の時代考証についてご解説いただきました。

 撮影現場では、大石教授のご助力をあおって、神谷道場、赤べこなど主要なドラマの舞台を想定した位置関係マップや登場人物の細かい性格設定と履歴書なども作り上げ、「るろうに通信」として配布し、全員で共有していた、という事実も明らかに。

 辣腕スタッフによって、大石教授との細かく丁寧なリサーチと確認作業は絶え間なく続けられ、「例えば映像内ではほとんど聞こえないであろうガヤ(脇役)の台詞1つにしても、その時代に無い言葉が混ざらないよう、検証と作り込みをしました」と、改めて“大石友組“の徹底したリサーチと誠実なこだわりに舌を巻いたそうです。

 本作に大石教授からのご助力で、「実は新撰組が鉄砲隊だった」という新たな歴史考証に基づいて撮影されたシーンも。ただし、「考証に忠実に作るのみではなく、アクションとドラマをより魅了的に魅せるため、映画ならではのエンターテイメント性を何より優先して創り上げました」と大友監督が締めくくりました。

 2時間半を超えるトークイベント終了後、大友監督、谷垣クション監督は、来場者全員と握⼿&サインのサービスも。一日がかりの『るろうに剣心』イベントは、最後まで熱気を帯びたまま盛り上がりました。

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(c)和月伸宏/集英社 (c)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会
(c)和月伸宏/集英社 (c)2014「るろうに剣心 伝説の最期」製作委員会