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まとめると~
●「宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!」が11回目の放送を迎えた
●ゲストに多田彰文が登場した
●次回は3月11日(水)の21時から。


 アニソン・ゲームソング・声優ソングを中心に、数多くの楽曲を手がけ続けているギタリストで音楽プロデューサーの宮路一昭。「聖戦士ダンバイン」チャム・ファウ役を演じ、デビュー。「重戦機エルガイム」のリリス・ファウ役、「トップをねらえ!」のユング・フロイト役など様々な作品に出演し続けている声優の川村万梨阿。この2人がメイン・パーソナリティを担当し、声優の鎌田美沙紀をアシスタントに、「tatsumi01/ニコニコミュニティ」内にて毎月第二水曜日21時からの1時間番組として放送中の「宮路一昭、川村万梨阿のアニタメ温故知新!」。「故きを温ねて新しきを知る=温故知新」の意味通り、「当時のエピソードを混じえながら古き良き時代のアニメやゲームのことを中心に語ろう」というのが、この番組。通算11回目が2月11日(水・祝)に放送された。

「アニタメ・ニュース」のコーナーでは、出演者にまつわる情報を紹介。2月27日(金)と3月13日(金)には、宮路一昭さんもメンバーとして参加中With Daddyのライブが大塚ウェルカムバックで開催。3月13日(金)には、声優の相馬優さんと杉山由恵さんもゲストで参加する。ぜひ足を運んでみよう。

 辰己出版の出版物を取り上げる「今月のおすすめの1冊」のコーナーでは、2月より新たに刊行し始めた、新ライトレーベル「T-LINEノベルス」から3作品を紹介。それぞれの作品の主題歌映像を「たつみTV」(http://ch.nicovideo.jp/tatsumi-TV)でチェック出来るのも嬉しいポイント。

 この日、宮路一昭さんは、白石涼子さんが主題歌を担当の心理サスペンス物「D-Gravity」を。川村万梨阿さんは、主題歌をsortiegeが担当の大正時代を舞台にした魔法少女物「大正月光綺憚 魔術少女あやね」を、鎌田美沙紀さんは、イメージソングを野島健児さんが担当の勇者物「実存系ドグマストラ」を紹介した。辰己出版が新たに始めたライトノベルシリーズ、是非、チェックしてみよう。

 さて、ここからは放送本編のレポートをお届けする。ゲストには、劇場版の「ポケモン」や「クレヨンしんちゃん」シリーズの劇伴作家としても有名な作編曲家の多田彰文さんが登場だ!!

 多田彰文さんは弦楽器のみならず管楽器まで自らプレイする、自称“楽器ヲタク”な音楽家。川村万梨阿さんいわく、「頭の中でオーケストラが鳴っている方」。その表現、実に的を射ている。

 宮路一昭さんと多田彰文さんは同じ年の同期生。多田さんは、「天地無用! GXP」「東京アンダーグラウンド」「桃華月憚」「サムライガン」「クロスファイトビーダマン」などのアニメ作品の劇伴を手がけてきた方。宮路さんは「ニャニがニャンだー ニャンダーかめん」「桃太郎電鉄&伝説シリーズ」「人生ゲームシリーズ」や「キャプテン翼J」の主題歌や浜崎あゆみの『Endless Sorrow』のリミックスなどを手がけてきた方だ。多田彰文さんは平成版「キャプテン翼」の劇伴を担当と、時代は違えど、同じ作品で繋がりを持った関係。劇場版「クレヨンしんちゃん~超時空! 嵐を呼ぶオラの花嫁」には、川村万梨阿さんも出演しており、意外なところでの接点も判明。同作品で川村万梨阿さんが演じたのは、カエルのキンキンケロンパのケロンパ役。その名前に反応した方、歳がバレますよ(笑)。

「クレヨンしんちゃん」トークでは、物語中に下ネタも登場することから、PTAから「見ちゃいけない作品」の声も上がり、いろいろ苦労した話が登場。そしていつしかトークは、「子供は下世話な話やう○ち話が大好きだから」という話にまで発展。確かに(笑)。

 多田彰文さんは「Go! プリンセスプリキュア」のエンディングテーマ『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』の編曲を担当。この作品では、得意の「一人ブラス隊」として録音を実施。多田彰文さんは『ドリーミング☆プリンセスプリキュア』を編曲するに際し、過去の楽曲をすべてチェック。「これまでのファンが納得する要素を持ちながらも新しい魅力」をこの楽曲に詰め込んだそう。しかも今回は、生バンドで演奏。そこも、多田彰文さんのこだわりの一つ。

 多田彰文さんは、シンセサイザープレイヤーとして音楽家活動をスタート。辛島美登里さんのツアー時に、まわりが40代のプレイヤーばかりの中、20代の最年少バントマスターを担当した話も登場。まだ経験も浅かった多田彰文さんは、当時先輩方に「飛行機に乗るときはスリッパを履くんだよ」「飛行機の中の珈琲は100円だから」といじられてたことも話してくれました。多田彰文さんが早い時期からバンドマスターを任されていたのも、中学時代から作曲家/編曲家として勉強し続けてきたことの成果。多田彰文さんも宮路一昭さんも映画音楽好きなように、作曲家/編曲家として成功を手にする人たちは、音楽に興味を持った頃からその辺に視点が向いてたことも、話を聴きながら実感。

 多田彰文さんは3月25日(水)に発売する茅原実里のセルフカバー・シンフォニックアルバム『Reincarnation』の全編曲と音楽プロデュースを担当。編曲話の流れの中、多田彰文さん「劇場版「クレヨンしんちゃん」では1日60曲を録ったこともある。中には、8秒などの短い分数も入れてですが」という話も語ってくれました。ちなみに、一番長い劇伴の分数は「劇場版『涼宮ハルヒの消失』で手がけた9分台」とのこと。宮路一昭さんも、昨年のみで560曲を作曲プロデュース。「中には、8秒や5秒などの短い尺も入れてだけどね」と語っていましたが、それでも編曲家の方々のパワーには敬服するばかりです。

 次回の放送は、3月11日(水)の21時から。誰がゲストで登場するのか、お楽しみに。


――AFTER INTERVIEW――


――劇伴制作の裏側を覗けた会話、とても勉強になりました。

宮路
:そういうことを語れる方を、この番組では厳選してお呼びしていますから。

多田:話をさせていただいてすごく楽しかったです。今日は、みなさんとレアな話をいろいろさせていただけましたが、まだまだいっぱい話したいことがあったので、それはまた次に呼んでいただけたらなら話したいです。

宮路:この番組、何度でも呼べますからね。今回は、作曲・編曲家という同じ業種の方の出演だったので、いろんなマニアックな話も出てきましたけど。じつは、万梨阿さんともご縁のある関係ですからね。

多田:そうなんですよ。我々からすると声優さんの現場はなかなかお邪魔する機会がないので。

川村:私たちがアフレコをしているときにレコーディングをなさってたりもするように、制作は、いろんな作業が同時進行で進んでいますからね。それもあって,打ち上げの場とか、そういうところでないと、なかなかお会いする機会がないんです。

多田:ただ、打ち上げもすごい人数で行うから、会っても軽い話くらいになってしまいますからね。

川村:「クレヨンしんちゃん」など大きなタイトルほど、打ち上げに参加すちる人数だけでもハンパないんですよ。会場も向こう側が見えないくらいの広さだから、ご挨拶するのが精一杯。だからこそ、こうやってお話をする機会を得られたのはすごく嬉しいことでした。

鎌田:今回「プリキュア」のお話をされてたときに、「過去の楽曲を全部聞いた」というお話を聞いてて、「どの世界も温故知新なんだなぁ」って思いましたね。古きを知り新しきを出していく。「あーこれこそ温故知新だー」と思って。

多田:「プリキュア」シリーズ15年。「クレヨンしんちゃん」シリーズ25年。「ポケモン」も20年近いんですよね。長く続くのも、理由があるから続くんですよね。

PHOTO:河内香奈子 TEXT:長澤智典


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…次回もお楽しみだ!






川村万梨阿と椋本夏夜の淑女的日常
川村 万梨阿
ホビージャパン
2015-01-17