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この記事の内容は?
●3月21日(土)、AnimeJapan2015の声旬ブース『若林漢二 科学ADV演出講座』のレポート
●出演は若林漢二さんに加えて、プロデューサー・松原達也さんも飛び入り参加!
●若林さんの意味深な発言はコレだったのか!!

 AnimeJapan2015初日、声旬!ブースのトリを飾ったのは『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』で監督を務めた若林漢二さんが登壇しての科学ADV演出講座。ただ登壇したのは若林さんではなく、作中に登場するヒロイン・牧瀬紅莉栖(のコスプレをした若林さん)で!?おや……この展開、昨年のデジャヴ?

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牧瀬漢二

 なんともアワアワした展開の中、頑なに自分を牧瀬紅莉栖だと言い張る若林さん。そこにスペシャルゲストとして登場したのがゲーム『CHAOS;CHILD』のプロデューサー・松原達也さんだった。こうして司会の橙灯を交えた3人によって『CHAOS;CHILD』の裏話を中心としたトークが繰り広げれていく。

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松原達也プロデューサー

 事前に「このステージは『CHAOS;CHILD』のトゥルーまでクリアしていないとよく分からないイベントですよ?」と若林さんが前置きしていたとおり、かなりコアな内容となったステージは、若林さんも演出として参加した『CHAOS;CHILD』について深く掘り下げていく。

 まずはゲームの演出家とは何をする人かという疑問には「パシリです(笑)」と、軽く受け流したあとに「役者だけでなく、絵にも演技をつけています」と真面目に回答。続けて立ち止まることだったり深く考える時間が足りないアニメと違い、ゲームは演出家としてじっくりと関われたと『CHAOS;CHILD』の製作期間を振り返る。それを受けた松原さんも「アニメとゲームのいちばんの違いは尺(時間)。ゲームはその点、調整できます」とその意見に同調していた。

 個人的に興味深かったのが、ゲームとアニメの演出の違いについて若林さんが「場面が自動で流れていくアニメに対して、ゲームはプレイヤーが能動的に操作していくこと」を挙げていた点。松原さんがこの発言を引き取って「テンポ感」という言葉を使っていたが、アニメと違いアドベンチャーゲームはプレイヤーのクリック次第でストーリー展開がプレイヤーにお任せとなってしまうため、作品にテンポ感を出すのには工夫がいるとのこと。そこで『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』で監督を務めた若林さんに演出をお願いしたのだそう。

 これを若林さんは『CHAOS;CHILD』にも出てきたワード「思考誘導」を使って解決していったという。プレイヤーの思考をどうやって導いて行くのか?それが演出家として若林さんが苦心した点でもあったようなのだが、残念ながらどのように思考誘導していったのか、具体的な例は時間の関係で詳しくは聞けずじまい!個人的にはもう少しその辺を詳しく紹介して欲しかった、残念!!

 作品に関するさまざまな裏話は、ときに実際のシナリオ(チェックの付箋がびっしり!)を手に紹介されていき、そこから話題は各キャラクターをさらに掘り下げた話に移行。各登場キャラクターに関してさまざまなエピソードを紹介してくれたのだが、どのキャラクターにもかなり細かい設定やこだわりが存在しており、それは若林さんの「キャラを脚色して生きたものにしていくのが仕事です」という言葉にも表れていた。

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 こうしてときには笑いを絡めながら深い話に終始したイベントの最後には「今年はシュタゲ5周年の記念すべき年。何かできるといいですね」と若林さんが意味深な発言もあった。そしてその言葉どおり、3月28日にはシュタゲの正統派後継作『STEINS;GATE0』の発表や志倉千代丸さん企画・原作の最新ゲーム『ANONYMOUS;CODE』など、さまざまな情報が発表があった。こちらは公式HPにてティザームービーもアップされているのでぜひチェックして欲しい。

ちなみに3月28日に発表された情報をまとめておくと。
1.『STEINS;GATE0』アニメ化
2.『CHAOS;CHILD』アニメ化
3.超常科学NVL『Occltic;Nine』ゲーム化
4. 『ANONYMOUS;CODE』製作発表

志倉千代丸、企画・原作の最新ゲーム『ANONYMOUS;CODE』公式HP
http://anonymouscode.jp/

 志倉さん原案の作品が4本一気に……。こちら側としては「楽しみ」のひとことしかないのですが、製作サイドはもしや修羅場!? 若林さんも松原さんも大変かもしれませんが、期待していますので、がんばってください!