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まとめると!
●映画『BLUE GIANT』ティーチイン舞台挨拶・イベントオフィシャルレポートが到着!
●大ヒットを記念した本作を手掛けた立川譲監督、主人公・宮本大のサックス演奏を担当した馬場智章が登壇し、ティーチインが開催された!
●3月20日(月)、TOHOシネマズ 日本橋にて実施された!

シリーズ累計1,000万部突破の大人気漫画『BLUE GIANT』を原作とするアニメーション映画作品『BLUE GIANT』が全国公開中。

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日時:3月20日(月)20:20~20:50
会場:TOHOシネマズ 日本橋/スクリーン 8 (中央区日本橋室町2丁目3−1 コレド室町2)
登壇者(敬称略):
立川譲監督、馬場智章

オフィシャルレポートを紹介しよう!

公開から約1か月が経った今も連日沢山の人達が劇場に足を運び、現在動員49万人を突破する大ヒットを記録している本作。本編の4分の1がライブシーンで占めていることでも話題を呼んでいるが、公開直後から映画をすでにご覧になった人達から、「思わず拍手しそうになった!」、「心の中でスタンディングオベーションした!」など多くの熱いコメントが寄せられており、そんな声に応えてこの日は特別に、<手拍子&拍手OKのスペシャルライブ上映>となった。本編上映中JASSのライブシーンでは大きな拍手が起こり、ライブ会場さながらの熱気に包まれた。

劇中の音楽を世界的ピアニストである上原ひろみが手掛けている本作だが、念願の拍手&手拍子OKでの上映、かつDolby Atmosの最高音響での極上のジャズライブ体験に、上映後も客席は熱気で最高潮に。そんななか、本作を手掛けた立川譲監督、主人公・宮本大のサックス演奏を担当した馬場智章がステージに登壇。

リピーターのお客さん達も多く、映画グッズのジャンパーを着て登壇した立川監督は満席の劇場を見渡し、「公開から一ヶ月近く経ちましたが、こんなに楽しい企画をやっていただけて、本当にみなさんの応援のお陰だと思っています」と満面の笑顔。著名人の方々含め、SNSでも熱いコメントがたくさん発信されている本作だが、周りの反響について立川監督は「たくさん感想をいただけて、普段アニメを見ない友達や昔の同級生なども連絡をくれたりと、すごく嬉しいです」と明かし、馬場も「普段ライブの演奏を日々やっていますが、そういうお客さんの中にも『映画観ました』とか、『この映画をきっかけにジャズを聴くようになりました』という声をたくさんいただいて、ジャズって入りづらい題材ではありますが、こういう映画をきっかけにいろんな方達に興味を持っていただけて嬉しいです」と語る。
また、「今後またどんどんジャズが盛り上がって、それこそ僕よりも若い世代の方に、楽器をやりたい、サックスをやりたいと思う方が増えてくれたら嬉しいですね」とも。

続いて、アニメーションで表現するのは非常に難易度が高い劇中のライブシーンについて、完成したシーンを見た感想を聞かれた馬場は「音だけで届けていたものが、絵がつくとより迫力が増しますし、僕はいつも演奏者として立つことが多いのですが、演奏シーンの中でたくさん支えてくれている方達の描写があって、自分は大の立場になって演奏していたので、映像で見ていろんな人の感情や思いを見ると、またちょっとこの曲が違う曲、違う演奏に聞こえてくる。感情がどんどん重なっていくような感じがして、そこがすごく素敵だな」と感じたという。国内外の有力奏者を集めたオーディションで世界中のプレーヤーの中から満場一致で選ばれた馬場だが、どうやって大の音を作り上げていったのかという質問には、「オーディションの最中から実際にレコーディングする中で、上原ひろみさんを筆頭に本当に全員で『大ってどんな音がするんだろう』というのを想像して話し合いをしながら、僕自身も大の音って普段演奏している音と違う音で、本当に全く違うものを演奏していて。例えば音量や間の取り方とか、普段ジャズの演奏をするときは会話をするように、他の人はどんな反応をするのかなというやり方をしたりするんですけど、宮本大はそういう人じゃないんじゃないかと。もっと自分の主張をどんどん伝える人なんじゃないかと。そういった細かい演奏の方針から、全員の演奏に対してみんなで作っていくという感じで。ひろみさんから『今ちょっと大ちゃんぽくないね』っていう声もいただいたり、ミュージシャンチームがいい演奏だと思っても、作画チームは『今伝わらないですね』とか。なので本当に全員で作った JASS の演奏だった」と述懐した。

また監督も、演奏シーンのレコーディングを振り返り、「結構いろいろやりまして、例えばもっと大っぽい感じを出すために 1回休憩をとって、会場を暗くして夜の感じにしてみて一回リフレッシュした後に話し合ってもう一回やるとか」と苦労を明かす場面も。さらに劇中で玉田のドラムを演奏しているのが、millennium paradeのドラマーとしても活躍する石若駿。
玉田は最初はドラムのド素人だが、徐々に上達していくというキャラクターなだけに、監督も石若には「最初は相当下手に叩いてもらって、何回かやっていただいて一番下手な演奏を使っています」と明かす。

最初の下手な演奏をする石若の演奏は、馬場も聴くと引っ張られてしまうため聞かないようにしていたそうで、「石若駿とは20年ぐらいの付き合いで、小学校3年生から同級生で一緒に演奏してきた仲なんですけど、おかしな演奏を聞いていると本当にわからなくなってくるので、初めて駿の演奏を聞きたくないなと思って全部切りました(笑)」と振り返る。そんな馬場が演奏した大のサックスだが、監督は馬場の六本木のライブに最初に聴きにいった時、「艶っぽくて大人っぽい、エロチックな感じで、『ライブを見てみたくて来たんです』と馬場さんに話したら、『いいっすね!』と言われて(笑)」と、まるで大のようだったというエピソードも。大の音について、監督は「強くて、ちょっと割れても気にしないまっすぐな感じ。大の性格そのものなんですけど、それが音で表現されているかが重要だった」と、大の音を馬場に託した理由を語った。

いっぽうの馬場も、大の音を出すには相当苦労したそうで「普段使わないような音量と音圧でずっと演奏していた。演奏しながら喉を鳴らすんです。すると割れた音が出るんですけど、どんどん頭痛くなってきて…。1テイクとって休憩という時に、保冷剤で冷やしていました」と裏話も明かした。

さらにイベント後半の客席からの質疑応答では、「実際にライブハウスを模して再現されていますが、本当に Blue Noteで聴いているような感覚がありました。再現するにあたっての苦労は?」という質問が飛ぶと、監督は「会場全体は『Blue Note』のマップをいただいて、それをベースに空間自体は作っています。あと大変だったのがマイクやスピーカーの位置。『Blue Note』の音響の方にチェックしていただいた」と明かす。

続いて、それぞれの一番好きなシーンについて聞かれると、馬場は「ライブシーンや演奏シーンの再現度もすごい高いんですけど、ファンの皆さんに支えられているという描写がリアル」だと玉田とファンとの交流のシーンをあげ、また、まさに「玉田と大の関係が、僕と石若の関係に似ている」と言い、「最後の『Blue Note』の演奏シーン見ると、所々自分たちを見ているよう。懐かしさと、自分が18〜19歳の時に一緒に演奏していた時を思い出して、感極まる感覚になる」と、お気に入りのシーンを明かした。

いっぽう監督は、雪祈の家で大・玉田・雪祈の3人が喧嘩をするシーンをあげ、「最後はバラバラじゃないかと出て行っちゃうけど、バラバラだからこそ二度とない瞬間を迎えることができる」と語った。

最後には、馬場が「僕らの思い、届いてくれたんじゃないかと思います。ぜひ9回観た方もいらっしゃったので、是非90回くらいみてほしいです(笑)」と語り、監督も「もっとお話したい裏話があるので、またこういうイベントに呼んでもらえたら嬉しいです!」と意気込んだ。そんななか、サプライズで客席から原作者の石塚真一先生が登場すると、会場から大きな拍手で迎えられ、石塚も6回劇場で観たと言い、作品について「泣けて泣けて…。映画を観にくるたびに、机に向かう気力が7割くらい減る(笑)。こっちはイキイキ動いているから、観ているのが楽しくて。漫画は動かないけどアニメーションだとイキイキ動いていて、友情豊かに描かれていて感動します。本当にお客様あってのこと」だと、感謝の意を伝えた。さらに昨夜、上原ひろみから「今羽田にいる」と電話があったことも明かし、「今からヘルシンキに飛ぶと。あなたの漫画の1ファンだから、漫画頑張って」とメッセージをもらったと話し、「さすがに雪祈のまねして『うるせぇ』とは言えなかった(笑)」とやりとりを明かして、会場の笑いを誘っていた。

<作品情報>
『BLUE GIANT』全国公開中!
原作:石塚真一「BLUE GIANT」(小学館「ビッグコミック」連載)
監督:立川譲
脚本:NUMBER 8
音楽:上原ひろみ
声の出演/演奏
宮本大 山田裕貴/馬場智章(サックス)
沢辺雪祈 間宮祥太朗/上原ひろみ(ピアノ)
玉田俊二 岡山天音/石若駿(ドラム)
アニメーション制作:NUT
製作:映画「BLUE GIANT」製作委員会
配給:東宝映像事業部
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館
映画公式サイト

驚きのサプライズ!