まとめると!
●別冊カドカワ×学校法人角川ドワンゴ学園×A.C.P.C.『楽演祭EXTRA』が、2023年11月12日(日)、ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールAにて開催された!
●相思相愛!?オーイシマサヨシ×伊東健人が学生の前で仲良しエピソード披露
●コラボセッション・対談講義が実現!写真付きレポート公開!
別冊カドカワ(KADOKAWA)×昭和音楽大学×A.C.P.C.(コンサートプロモーターズ協会)が手を組み立ち上げた〝エデュテインメント(エンタテインメント+エデュケーション<教育>)〟を通じて〝音楽の楽しさ〟を体感できるライブ・イベント『楽演祭(がくえんさい)』。
2023年11月12日(日)、ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールAにて開催された。
▽期間限定アーカイブ配信詳細
・会場販売グッズ付アーカイブ配信チケット:¥2,700(税込)
・アーカイブ有料配信チケット 配信:¥1,200(税込)
※別途送料550円がかかります。
※グッズの発送はアーカイブ視聴可能期間終了後に、随時発送いたします。
※受取拒否や配送トラブルにおける返金対応は致しかねます。
※グッズ内容(2点セット)特典内容「サテンステッカー」「ホログラムステッカー」
チケット販売期間:11月12日(日)終演後~11月19日(日)21:00 まで
アーカイブ視聴可能期間:11月15日(水)00:00~11月19日(日)23:59 まで(5日間のみ)
配信プラットフォーム:ZAIKO
受付サイト
オフィシャルレポートを紹介しよう!
今回は、「EXTRA」ということで、アニメ・アニソン業界からのゲストとして、現在のアニソンシーンで最も勢いのあるアーティストの1人で、MC業や俳優業にも挑戦するなどマルチな活動を展開するオーイシマサヨシと、声優業はもちろん、アーティストとしても、ソロ・ユニットで活躍し、楽曲提供を行うなど精力的に活動する伊東健人を迎えての開催となった。
第1部は「講義」と称したトークセッションで、開始を告げるチャイムの音ともに、MCを務める音楽プロデューサーの冨田明宏氏が登壇。冨田氏の呼びかけに応えて、オーイシマサヨシと伊東健人がステージに姿を現すと、会場の熱気も一気に高まっていく。
プライベートも仲が良いというオーイシと伊東の2人は、ステージ上でも息のあったトークを展開。衣装のテイストが若干かぶったことに、サクラタウンを意識しすぎたと苦笑いを浮かべる。
今までの「楽演祭」を振り返るコーナーでは、錚々たる出演者たちに「エグない?」と絶叫。本当に自分たちで良いのかと戸惑いをみせる2人だったが、冨田氏の「アニメ業界や声優業界を本当に語ってもらいたい、マルチプレイヤーであり、代表する2人のスター」との言葉に、会場からも大きな拍手が送られた。
■他己紹介
トークセッションでの最初のテーマは「他己紹介」。オーイシについて「簡潔にまず、2020年代のアニソンを背負っている男」と評する伊東は、「もちろん2010年代から活躍されているアーティストさんなんですけど、最近になって背負い方が年々増している。背負いすぎじゃないか」と心配しながらも、「時にギターを弾いたり、時に踊ったり、すごくアグレッシブ。それを本当に楽しそうにやっているので、見習わないといけない」と続け、「自然と、オーイシさんが自分を引っ張ってくれている」と、精神的にも頼りになる存在であることを明かした。
一方、オーイシは伊東について、仕事面とプライベート面という2つの側面で紹介。仕事面に関しては「ヒットコンテンツに伊東健人ありみたいなところがあって、特に最近の躍進が半端ない」と絶賛する。「たまたまです」という伊東に対して、「たまたまじゃない。俺はもう偶然とは呼ばせない。とにかく打率がすごい」と主張。「打率が高いのは、演者としてすばらしく、声優としてのスキルがすばらしいから」と賛辞を惜しまない。そして、プライベート面に関しては、「僕のことをすごく好きなんです」とぶっちゃける。「事あるごとに連絡をくれるんですよ。しかも、急に。今夜空いてますか?カラオケどうですか?焼肉どうですか?とか、そんなレベルでめちゃくちゃ誘ってくれる」とのエピソードを披露する。
「オーイシさんも連絡をくれる」と抵抗する伊東に、「だって好きだもん」と即答するオーイシ。「急にカラオケに行こうと言い出したのはオーイシさん」との発言に対しても、「そうなのよ」と素直に認め、「今作られているアニソンはどんどん複雑化されているので、お勉強しようという意味も含めて、一緒に最新曲を歌って、お互いを高め合う」と、カラオケに誘った意図を説明した。
■音楽のルーツ
続いてのテーマは「音楽のルーツ」。音楽の最前線に立つ2人の音楽的なルーツを紐解いていく。
オーイシのルーツとして最初に挙げられたのが「T・REX」。自身の周りはビートルズや王道系を聞く人が多く、裏カルチャーへの憧れからグラム・ロックを聞き始めたというオーイシだが、「イエモン(THE YELLOW MONKEY)のルーツを掘り返したらT・REXにぶつかった」と、出会いのきっかけを説明する。
「捻くれていたので、王道以外の何かをやりたいという気持ちがずっとあった。メインストリートを歩くよりも裏路地を歩きたいみたいな。そういう反骨精神みたいな、よくわからないやつ。拗らせていたんですよ(笑)」と当時の心境を振り返る。
そして、もう一組は「デヴィッド・ボウイ」。こちらもグラム・ロックの筆頭アーティストであり、代表曲である「Starman」が収録されているアルバム『ジギー・スターダスト』を何度も繰り返し聞いたと思い返しながら、出身地である愛媛県宇和島市の中古レコードショップでライブのVHSビデオを購入し、バンド仲間と一緒に見たという学生時代の思い出に浸る。デヴィッド・ボウイの「誰かに見てもらうことを前提にしたステージ」が大好きで、憧れがあったというオーイシは、自身のステージやエンタメ性に大きな影響を及ぼしていると言及した。
一方、伊東健人が音楽のルーツとして最初に挙げたのが「エアロスミス」。伊東の音楽的ルーツは2ルートあるとのことで、ひとつは同級生の友達とハマっていたバンド、もうひとつが先輩と一緒にハマったバンドであり、先輩ルートのルーツが「エアロスミス」だという。そして、エアロスミスは、「仕事でシャウトとかさせてもらうときがあるのですが、そのシャウト的なルーツのひとつ」でもあると続ける。
そして、同級生と一緒にハマったのが「BUMP OF CHICKEN」。初めてライブを見に行ったバンドでもあり、「日本のロックの変換期。ビジュアル系と呼ばれるハード系ロックの全盛期の後、いろいろな言い方をされてますが、文系ロック、疲れないロック、そういうものの走りが、自分的には、バンプであり、アジカンであり、くるりだった」と振り返った。
なお、オーイシが大石昌良として所属している「Sound Schedule」は、「BUMP OF CHICKEN」と同期。当時、情景の見える歌詞、まるで小説を読んでいるかのような、映画を見ているかのような歌詞が流行っていたと振り返りながら、「自慢じゃないですけど」と前置きしつつ、「バンプの藤くんか、Sound Scheduleの大石かくらいの感じで、歌詞の描写が美しいと言われていた」というオーイシの言葉に、「情景を浮かべるという作詞を昇華させていく先が今のオーイシマサヨシさんの楽曲に繋がっている」と分析する。
さらに、もうひとつのルーツとして「イーグルス」を挙げる。「これはエアロスミスからの流れに近いのですが、コーラスが好きで、それを培ってくれたのがエアロスミスとかイーグルス。全員歌えるバンドというのに憧れがある」という伊東は、「イーグルスを聞いて、コーラスラインを自分なりに勉強している」と打ち明けた。
■歌詞について
続いてのテーマは「歌詞について」。作詞家としても活躍する2人がこれまでに書いた歌詞について掘り下げていく。
まず最初は伊東の「AMBER」。クレジットでは、作曲を担当したzakbee氏との共作となっているが、「共作と言いつつ、個人的には80~90%くらいは自分の意思が反映されている歌詞」だという。作詞をする際は、まず登場人物を一人つくり、そこから景色や想いを表現指していくという伊東。「AMBER」では、まず常套手段として、歌い出しは「見ているものだったり、景色を書こうと思った」と振り返る。
「1-Aで景色を書き、1-Bで気持ちの移り変わりと景色の移り変わりをグラデーションで書いて、サビで完全に主人公の感情に移っていく」と歌詞を順に解説していく伊東だが、Dメロについては、「最初のzakbeeさんの案では、主人公が歌の中の相手に想いを伝える感じだったのですが、それを僕が180度捻じ曲げました」と明かし、「この歌の主人公は、自分の気持ちを全然相手に伝えられない人がいい」という伊東の想いが実際のDメロで表現されることになったという。「こういうカッコ悪い主人公は、僕の中のルーツで言えば岡村靖幸さん。歌の中の主人公が全然カッコ良くない。それがいいんです」と笑顔を見せる。
続く「magic number」は、伊東が「プロジェクトセカイ」に提供した楽曲。こちらは作詞・作曲ともに伊東が担当しており、「0から100まで作るのは初めてで、本当に苦戦。作詞と作曲を同時進行で、1カ月くらいかかった」と産みの苦しみを振り返る。
作る際から「ボーカロイドが歌う曲で、僕は歌いませんということを最初から決めていた」という伊東。「作品に自分も出演しているので、僕が歌うと意味が生まれる。この曲に関してはそうじゃない。絶対にボーカロイドが歌ったほうが良い」という考えから、ボーカロイド用の曲として書き下ろしたという。
「産みの苦しみが歌詞にダイレクトに乗っている」という伊東だが、その中でも「花束にも 武器にもなる」というフレーズが「自分の言いたいことの核であり、ここから作った気がします」と振り返る。「言葉というものは、どうせなら誰かに手を差し伸べるものとして使いたい。音楽はそれをブーストし、届けやすくするもの。僕なりの平和というか、僕的なマイケル・ジャクソンの『We Are The World』であれと思いながら書いてました」と、当時の心境を明かした。
一方、オーイシの作品からは、自身も参加するユニット・OxTの「UNION」をピックアップ。この曲では、1サビ最後の「君を退屈から救いに来たんだ!」が最も言いたかったポイントであり、「僕らが子供の頃、ヒーローが退屈から救ってくれたという原体験からこの言葉が生まれてきて、そこから『UNION』を書き始めた。SSSS.GRIDMANがヒーローアニメだったこともあって、すごくリンクして書けた」と振り返る。そして、「サビ頭の“目を醒ませ 僕らの世界が何者かに侵略されているぞ”というフレーズは、インターネット上でめちゃくちゃこすられまして」と苦笑い。しかし同時に、「作家冥利に尽きる」とうれしさも感じている様子だった。
そして、「僕は作品のファンにならないと曲を書き始めない」というオーイシ。「SSSS.GRIDMANも脚本をいただいて、最終話まで全部読み終わってから書き始めたのですが、読み終わったときには、すっかりSSSS.GRIDMANのファンになっていたので、すごく筆も速かったですし、勢いもあった。絶対にみんなに見てほしい作品になると思ったので、それが原動力になった」と振り返る。
続いて紹介されたのが、『けものフレンズ』のオープニングテーマとして大きな話題を呼んだ「ようこそジャパリパークへ」。この曲の詞を書く際、最初に浮かんだフレーズが「うー!がぉー!」だっというオーイシ。自ら、アニメの製作委員会の会議に足を運び、主題歌で使いたいというフレーズとして提示したというエピソードを披露する。また、「けものは居ても のけものは居ない」というフレーズは、「車の運転中に思い浮かんだ」とのこと。そして、このフレーズを入れるために、メロディを変更したという。「作詞と作曲を一緒にやっているからこそできるパワープレイであり、アドバンテージ。僕のスタイルだったからこそできた」。
■“好きなことを仕事にすることについて”
今回、学校法人角川ドワンゴ学園が協力していることもあり、N高生・S高生も観覧していたことから、「好きなことを仕事にすることについて」のテーマでもトークが展開された。やや難しいお題に対して、「好きなことを仕事にしている意識が後付け」という伊東。「声優を始めることになってから、どんどん仕事が好きになっていくのですが、努力を努力と思っていない節がある。これが大事な要素」であり、高校・大学時、趣味で音楽をやっていた際は、音楽を仕事にすることに否定的だったという。「作曲を職業としてやっていくのであれば、一週間に10曲作らないといけないみたいなことがザラ。それは自分には無理だと思った」と振り返り、「これが好きなことを仕事にできるかどうかのまず一個のハードル」だと語りかける。
一方、オーイシも「僕も似たところがあって、仕事を仕事と思っていない。視点によっては、プロじゃないと言われるかもしれませんが、好きなことをずっと好きで居続けるために、環境を整えた結果が今という感じなので、仕事だとは思えていない」と自らを分析する。
そして、とあるインターネット民の「オーイシマサヨシの良さは“ポジショニング”」という言葉に対しても、核心をついているという評価。「僕は自分がすごいと思ったことはなくて、アニソンファンやアニメファンの方がかつぐ神輿にたまたま乗せられている状態ですが、このポジションにいられるというのは、やはりそこでちゃんと空気読みをしたり、会話を大切にしたり、この仕事だけは絶対に逃さないというポイントを作ったり、そういうことを積み重ねてきた」と自身の立ち位置を冷静に見つめ、自身の経験を踏まえつつ、「好きなことをやろうとすると、何回かは壁にぶつかると思いますが、壁を越えた先にはきっと何かあると思っています」と夢を追う学生にエールを送った。
そのほか、N高生・S高生からの質問に答えたり、宿題として提示した問題の解答を行ったり、トークパートは1時間を超える長丁場となった。会場からはまだまだ2人の話を聞きたいという熱気に溢れかえったが、ここでトークパートは終了となり、続いてはライブコーナーに突入した。
■大盛りあがりのライブパートへ突入
第2部のライブパートもチャイムの音ともに幕を開く。先陣を切ったのは伊東健人。第1部で歌詞について解説を行った「AMBER」、そして「magic number」を立て続けに披露する。「解説した後に歌うのは」と照れ笑いを浮かべつつ、大好きな曲として「THE REAL FOLK BLUES」をカバー。そしてラストは、ソロアーティストデビュー曲で、作詞・作曲を川谷絵音が担当した「真夜中のラブ」で締めくくった。
続いてバトンを受け取ったオーイシマサヨシは、「インパーフェクト」で会場を一気にオーイシ色に染める。そして、「みんなと一緒に盛り上がれて、コール&レスポンスもできて、しかも伊東健人とつながりがある曲」として、伊東も出演していた『【推しの子】』の劇中歌「サインはB」を仮歌バージョンとしてセルフカバー。ダンスを交えて歌うオーイシに大きな声援が送られる。息も絶え絶えになりながら、続けてダンスナンバー「ギフト」を熱唱。そして初披露の新曲「好きになっちゃダメな人」と続け、ラストはギターを手に「サクラタウンじゃなきゃダメみたい」と絶叫し、「君じゃなきゃダメみたい」を歌い上げる。
そして、伊東健人が再びステージに合流し、2人でのライブパート。2人とも生粋のSSSS.GRIDMANファンということでまずは「uni-verse」を披露。そして、会場と一体となって「ようこそジャパリパークへ」を歌い、ライブパートの幕を閉じた。
【公演名】 別冊カドカワ×学校法人角川ドワンゴ学園×A.C.P.C. 『楽演祭EXTRA』
【出演者】 オーイシマサヨシ、伊東健人/MC:冨田明宏
<公演に関するお問い合わせ>
KADOKAWA カスタマーサポート
※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。
主催:(株)KADOKAWA/一般社団法人コンサートプロモーターズ協会
協力:学校法人角川ドワンゴ学園、(株)ディスクガレージ
制作:NowAndZen
イベント公式HP
読み応えのあるレポートですね(^^)/(^^)/
2023年11月12日(日)、ところざわサクラタウン ジャパンパビリオン ホールAにて開催された。
▽期間限定アーカイブ配信詳細
・会場販売グッズ付アーカイブ配信チケット:¥2,700(税込)
・アーカイブ有料配信チケット 配信:¥1,200(税込)
※別途送料550円がかかります。
※グッズの発送はアーカイブ視聴可能期間終了後に、随時発送いたします。
※受取拒否や配送トラブルにおける返金対応は致しかねます。
※グッズ内容(2点セット)特典内容「サテンステッカー」「ホログラムステッカー」
チケット販売期間:11月12日(日)終演後~11月19日(日)21:00 まで
アーカイブ視聴可能期間:11月15日(水)00:00~11月19日(日)23:59 まで(5日間のみ)
配信プラットフォーム:ZAIKO
受付サイト
オフィシャルレポートを紹介しよう!
今回は、「EXTRA」ということで、アニメ・アニソン業界からのゲストとして、現在のアニソンシーンで最も勢いのあるアーティストの1人で、MC業や俳優業にも挑戦するなどマルチな活動を展開するオーイシマサヨシと、声優業はもちろん、アーティストとしても、ソロ・ユニットで活躍し、楽曲提供を行うなど精力的に活動する伊東健人を迎えての開催となった。
第1部は「講義」と称したトークセッションで、開始を告げるチャイムの音ともに、MCを務める音楽プロデューサーの冨田明宏氏が登壇。冨田氏の呼びかけに応えて、オーイシマサヨシと伊東健人がステージに姿を現すと、会場の熱気も一気に高まっていく。
プライベートも仲が良いというオーイシと伊東の2人は、ステージ上でも息のあったトークを展開。衣装のテイストが若干かぶったことに、サクラタウンを意識しすぎたと苦笑いを浮かべる。
今までの「楽演祭」を振り返るコーナーでは、錚々たる出演者たちに「エグない?」と絶叫。本当に自分たちで良いのかと戸惑いをみせる2人だったが、冨田氏の「アニメ業界や声優業界を本当に語ってもらいたい、マルチプレイヤーであり、代表する2人のスター」との言葉に、会場からも大きな拍手が送られた。
■他己紹介
トークセッションでの最初のテーマは「他己紹介」。オーイシについて「簡潔にまず、2020年代のアニソンを背負っている男」と評する伊東は、「もちろん2010年代から活躍されているアーティストさんなんですけど、最近になって背負い方が年々増している。背負いすぎじゃないか」と心配しながらも、「時にギターを弾いたり、時に踊ったり、すごくアグレッシブ。それを本当に楽しそうにやっているので、見習わないといけない」と続け、「自然と、オーイシさんが自分を引っ張ってくれている」と、精神的にも頼りになる存在であることを明かした。
一方、オーイシは伊東について、仕事面とプライベート面という2つの側面で紹介。仕事面に関しては「ヒットコンテンツに伊東健人ありみたいなところがあって、特に最近の躍進が半端ない」と絶賛する。「たまたまです」という伊東に対して、「たまたまじゃない。俺はもう偶然とは呼ばせない。とにかく打率がすごい」と主張。「打率が高いのは、演者としてすばらしく、声優としてのスキルがすばらしいから」と賛辞を惜しまない。そして、プライベート面に関しては、「僕のことをすごく好きなんです」とぶっちゃける。「事あるごとに連絡をくれるんですよ。しかも、急に。今夜空いてますか?カラオケどうですか?焼肉どうですか?とか、そんなレベルでめちゃくちゃ誘ってくれる」とのエピソードを披露する。
「オーイシさんも連絡をくれる」と抵抗する伊東に、「だって好きだもん」と即答するオーイシ。「急にカラオケに行こうと言い出したのはオーイシさん」との発言に対しても、「そうなのよ」と素直に認め、「今作られているアニソンはどんどん複雑化されているので、お勉強しようという意味も含めて、一緒に最新曲を歌って、お互いを高め合う」と、カラオケに誘った意図を説明した。
■音楽のルーツ
続いてのテーマは「音楽のルーツ」。音楽の最前線に立つ2人の音楽的なルーツを紐解いていく。
オーイシのルーツとして最初に挙げられたのが「T・REX」。自身の周りはビートルズや王道系を聞く人が多く、裏カルチャーへの憧れからグラム・ロックを聞き始めたというオーイシだが、「イエモン(THE YELLOW MONKEY)のルーツを掘り返したらT・REXにぶつかった」と、出会いのきっかけを説明する。
「捻くれていたので、王道以外の何かをやりたいという気持ちがずっとあった。メインストリートを歩くよりも裏路地を歩きたいみたいな。そういう反骨精神みたいな、よくわからないやつ。拗らせていたんですよ(笑)」と当時の心境を振り返る。
そして、もう一組は「デヴィッド・ボウイ」。こちらもグラム・ロックの筆頭アーティストであり、代表曲である「Starman」が収録されているアルバム『ジギー・スターダスト』を何度も繰り返し聞いたと思い返しながら、出身地である愛媛県宇和島市の中古レコードショップでライブのVHSビデオを購入し、バンド仲間と一緒に見たという学生時代の思い出に浸る。デヴィッド・ボウイの「誰かに見てもらうことを前提にしたステージ」が大好きで、憧れがあったというオーイシは、自身のステージやエンタメ性に大きな影響を及ぼしていると言及した。
一方、伊東健人が音楽のルーツとして最初に挙げたのが「エアロスミス」。伊東の音楽的ルーツは2ルートあるとのことで、ひとつは同級生の友達とハマっていたバンド、もうひとつが先輩と一緒にハマったバンドであり、先輩ルートのルーツが「エアロスミス」だという。そして、エアロスミスは、「仕事でシャウトとかさせてもらうときがあるのですが、そのシャウト的なルーツのひとつ」でもあると続ける。
そして、同級生と一緒にハマったのが「BUMP OF CHICKEN」。初めてライブを見に行ったバンドでもあり、「日本のロックの変換期。ビジュアル系と呼ばれるハード系ロックの全盛期の後、いろいろな言い方をされてますが、文系ロック、疲れないロック、そういうものの走りが、自分的には、バンプであり、アジカンであり、くるりだった」と振り返った。
なお、オーイシが大石昌良として所属している「Sound Schedule」は、「BUMP OF CHICKEN」と同期。当時、情景の見える歌詞、まるで小説を読んでいるかのような、映画を見ているかのような歌詞が流行っていたと振り返りながら、「自慢じゃないですけど」と前置きしつつ、「バンプの藤くんか、Sound Scheduleの大石かくらいの感じで、歌詞の描写が美しいと言われていた」というオーイシの言葉に、「情景を浮かべるという作詞を昇華させていく先が今のオーイシマサヨシさんの楽曲に繋がっている」と分析する。
さらに、もうひとつのルーツとして「イーグルス」を挙げる。「これはエアロスミスからの流れに近いのですが、コーラスが好きで、それを培ってくれたのがエアロスミスとかイーグルス。全員歌えるバンドというのに憧れがある」という伊東は、「イーグルスを聞いて、コーラスラインを自分なりに勉強している」と打ち明けた。
■歌詞について
続いてのテーマは「歌詞について」。作詞家としても活躍する2人がこれまでに書いた歌詞について掘り下げていく。
まず最初は伊東の「AMBER」。クレジットでは、作曲を担当したzakbee氏との共作となっているが、「共作と言いつつ、個人的には80~90%くらいは自分の意思が反映されている歌詞」だという。作詞をする際は、まず登場人物を一人つくり、そこから景色や想いを表現指していくという伊東。「AMBER」では、まず常套手段として、歌い出しは「見ているものだったり、景色を書こうと思った」と振り返る。
「1-Aで景色を書き、1-Bで気持ちの移り変わりと景色の移り変わりをグラデーションで書いて、サビで完全に主人公の感情に移っていく」と歌詞を順に解説していく伊東だが、Dメロについては、「最初のzakbeeさんの案では、主人公が歌の中の相手に想いを伝える感じだったのですが、それを僕が180度捻じ曲げました」と明かし、「この歌の主人公は、自分の気持ちを全然相手に伝えられない人がいい」という伊東の想いが実際のDメロで表現されることになったという。「こういうカッコ悪い主人公は、僕の中のルーツで言えば岡村靖幸さん。歌の中の主人公が全然カッコ良くない。それがいいんです」と笑顔を見せる。
続く「magic number」は、伊東が「プロジェクトセカイ」に提供した楽曲。こちらは作詞・作曲ともに伊東が担当しており、「0から100まで作るのは初めてで、本当に苦戦。作詞と作曲を同時進行で、1カ月くらいかかった」と産みの苦しみを振り返る。
作る際から「ボーカロイドが歌う曲で、僕は歌いませんということを最初から決めていた」という伊東。「作品に自分も出演しているので、僕が歌うと意味が生まれる。この曲に関してはそうじゃない。絶対にボーカロイドが歌ったほうが良い」という考えから、ボーカロイド用の曲として書き下ろしたという。
「産みの苦しみが歌詞にダイレクトに乗っている」という伊東だが、その中でも「花束にも 武器にもなる」というフレーズが「自分の言いたいことの核であり、ここから作った気がします」と振り返る。「言葉というものは、どうせなら誰かに手を差し伸べるものとして使いたい。音楽はそれをブーストし、届けやすくするもの。僕なりの平和というか、僕的なマイケル・ジャクソンの『We Are The World』であれと思いながら書いてました」と、当時の心境を明かした。
一方、オーイシの作品からは、自身も参加するユニット・OxTの「UNION」をピックアップ。この曲では、1サビ最後の「君を退屈から救いに来たんだ!」が最も言いたかったポイントであり、「僕らが子供の頃、ヒーローが退屈から救ってくれたという原体験からこの言葉が生まれてきて、そこから『UNION』を書き始めた。SSSS.GRIDMANがヒーローアニメだったこともあって、すごくリンクして書けた」と振り返る。そして、「サビ頭の“目を醒ませ 僕らの世界が何者かに侵略されているぞ”というフレーズは、インターネット上でめちゃくちゃこすられまして」と苦笑い。しかし同時に、「作家冥利に尽きる」とうれしさも感じている様子だった。
そして、「僕は作品のファンにならないと曲を書き始めない」というオーイシ。「SSSS.GRIDMANも脚本をいただいて、最終話まで全部読み終わってから書き始めたのですが、読み終わったときには、すっかりSSSS.GRIDMANのファンになっていたので、すごく筆も速かったですし、勢いもあった。絶対にみんなに見てほしい作品になると思ったので、それが原動力になった」と振り返る。
続いて紹介されたのが、『けものフレンズ』のオープニングテーマとして大きな話題を呼んだ「ようこそジャパリパークへ」。この曲の詞を書く際、最初に浮かんだフレーズが「うー!がぉー!」だっというオーイシ。自ら、アニメの製作委員会の会議に足を運び、主題歌で使いたいというフレーズとして提示したというエピソードを披露する。また、「けものは居ても のけものは居ない」というフレーズは、「車の運転中に思い浮かんだ」とのこと。そして、このフレーズを入れるために、メロディを変更したという。「作詞と作曲を一緒にやっているからこそできるパワープレイであり、アドバンテージ。僕のスタイルだったからこそできた」。
■“好きなことを仕事にすることについて”
今回、学校法人角川ドワンゴ学園が協力していることもあり、N高生・S高生も観覧していたことから、「好きなことを仕事にすることについて」のテーマでもトークが展開された。やや難しいお題に対して、「好きなことを仕事にしている意識が後付け」という伊東。「声優を始めることになってから、どんどん仕事が好きになっていくのですが、努力を努力と思っていない節がある。これが大事な要素」であり、高校・大学時、趣味で音楽をやっていた際は、音楽を仕事にすることに否定的だったという。「作曲を職業としてやっていくのであれば、一週間に10曲作らないといけないみたいなことがザラ。それは自分には無理だと思った」と振り返り、「これが好きなことを仕事にできるかどうかのまず一個のハードル」だと語りかける。
一方、オーイシも「僕も似たところがあって、仕事を仕事と思っていない。視点によっては、プロじゃないと言われるかもしれませんが、好きなことをずっと好きで居続けるために、環境を整えた結果が今という感じなので、仕事だとは思えていない」と自らを分析する。
そして、とあるインターネット民の「オーイシマサヨシの良さは“ポジショニング”」という言葉に対しても、核心をついているという評価。「僕は自分がすごいと思ったことはなくて、アニソンファンやアニメファンの方がかつぐ神輿にたまたま乗せられている状態ですが、このポジションにいられるというのは、やはりそこでちゃんと空気読みをしたり、会話を大切にしたり、この仕事だけは絶対に逃さないというポイントを作ったり、そういうことを積み重ねてきた」と自身の立ち位置を冷静に見つめ、自身の経験を踏まえつつ、「好きなことをやろうとすると、何回かは壁にぶつかると思いますが、壁を越えた先にはきっと何かあると思っています」と夢を追う学生にエールを送った。
そのほか、N高生・S高生からの質問に答えたり、宿題として提示した問題の解答を行ったり、トークパートは1時間を超える長丁場となった。会場からはまだまだ2人の話を聞きたいという熱気に溢れかえったが、ここでトークパートは終了となり、続いてはライブコーナーに突入した。
■大盛りあがりのライブパートへ突入
第2部のライブパートもチャイムの音ともに幕を開く。先陣を切ったのは伊東健人。第1部で歌詞について解説を行った「AMBER」、そして「magic number」を立て続けに披露する。「解説した後に歌うのは」と照れ笑いを浮かべつつ、大好きな曲として「THE REAL FOLK BLUES」をカバー。そしてラストは、ソロアーティストデビュー曲で、作詞・作曲を川谷絵音が担当した「真夜中のラブ」で締めくくった。
続いてバトンを受け取ったオーイシマサヨシは、「インパーフェクト」で会場を一気にオーイシ色に染める。そして、「みんなと一緒に盛り上がれて、コール&レスポンスもできて、しかも伊東健人とつながりがある曲」として、伊東も出演していた『【推しの子】』の劇中歌「サインはB」を仮歌バージョンとしてセルフカバー。ダンスを交えて歌うオーイシに大きな声援が送られる。息も絶え絶えになりながら、続けてダンスナンバー「ギフト」を熱唱。そして初披露の新曲「好きになっちゃダメな人」と続け、ラストはギターを手に「サクラタウンじゃなきゃダメみたい」と絶叫し、「君じゃなきゃダメみたい」を歌い上げる。
そして、伊東健人が再びステージに合流し、2人でのライブパート。2人とも生粋のSSSS.GRIDMANファンということでまずは「uni-verse」を披露。そして、会場と一体となって「ようこそジャパリパークへ」を歌い、ライブパートの幕を閉じた。
【公演名】 別冊カドカワ×学校法人角川ドワンゴ学園×A.C.P.C. 『楽演祭EXTRA』
【出演者】 オーイシマサヨシ、伊東健人/MC:冨田明宏
<公演に関するお問い合わせ>
KADOKAWA カスタマーサポート
※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。
主催:(株)KADOKAWA/一般社団法人コンサートプロモーターズ協会
協力:学校法人角川ドワンゴ学園、(株)ディスクガレージ
制作:NowAndZen
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読み応えのあるレポートですね(^^)/(^^)/